肺炎球菌ワクチン
死亡要因4位は肺炎、高齢者に最も多いのが肺炎球菌による感染
肺炎は早期発見、早期治療すれば治る病気ですが、日本では高齢者を中心に毎年8万人以上もの人が命を落としています。肺炎の原因は様々ですが、高齢者に最も多いのが肺炎球菌とよばれる細菌への感染です。高齢者の重症化肺炎の50%は、肺炎球菌によるものだということがわかっています。
肺炎球菌とは
肺炎球菌が肺や気管支に入り込むと、粘膜に炎症を起こして肺炎や気管支炎を発症します。肺炎球菌には80種類以上のタイプがありますが、大半の肺炎球菌が抗生物質の効きにくい耐性菌である上に、病気の進行が早過ぎて、抗生物資の投与が追いつかないこともあり、治療が難しいのが現状です。
病み上がりや過労、過度のストレスなどで免疫力が低下している人や高齢者が感染しやすく、また心臓病や喘息などの呼吸器疾患、糖尿病、腎不全、肝機能障害などの慢性疾患をお持ちの方は、重症化するリスクが高くなりますので、65歳以上の高齢者や慢性疾患をお持ちの方には、ワクチン接種をお勧めします。
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌が原因で起こる様々な病気(特に肺炎や髄膜炎)を予防してくれます。すべての肺炎球菌に効果があるわけではありませんが、起因菌となるリスクの高い代表的な肺炎球菌に対して有効な免疫ができて、5年間以上その効果を持続することができます。特に強い副反応はなく、注射した部位が赤くはれたり、かゆみが出たりすることはありますが、2~3日で自然に治ります。ただし、5年以内に同ワクチンを接種した人が、5年以上あけずに再度受けた場合に、強い副反応が出る場合がありますので、1回でも接種したことがある方はきちんと記録しておくようにしましょう。