手足口病

手足口病

手足口病

手足口病は、毎年5歳以下の乳幼児の間で流行するウィルス性の感染症で、手の平や足の裏、口の中などに、米粒大の水疱性の発疹が出ます。しかし今年は過去10年で最高の流行率で、大人の間でも大流行しており、疼痛や表皮剥離、爪の変形などを伴うものがあり、皮疹の範囲も広くなっているので、要注意です。

感染経路

飛沫感染(くしゃみ、咳などを介してウィルスを吸い込む)、接触感染(皮膚接触やタオルの共有など)、糞口感染(感染した人の便を介した経口感染)が多く、感染後3~5日くらいまでの間に、水疱性の発疹が出ます。手足口病の原因となるウィルスの中で、最もタチが悪いのは、EV71と呼ばれるウィルスで、これに感染すると中枢神経系の合併症(髄膜炎、小脳失調症、脳炎等)を引き起こし、重症化する可能性が高くなると言われています。今年は、このEV71の流行が多くみられますので、皮膚症状だけでなく、呼吸障害や意識障害、高熱が続く、嘔吐、水分が取れないなどの症状が見られたら、早めに受診するように注意してください。

治療と予防方法

手足口病のウィルスに効く特効薬は、残念ながらありません。また、予防接種もないのが現状です。通常であれば、2~3日経てば、徐々に症状が収まってきます。対処療法として、皮膚のかゆみ、湿疹には、抗ヒスタミン剤を塗布します。口の中にできた水疱が痛い場合には、副腎皮質ステロイド軟膏を処方する場合もあります。口の中が痛いと、なかなか食事が摂れず、特に夏の間は熱中症や脱水症状に注意が必要です。どうしても食べられないようなら、点滴で栄養・水分補給することもできますのでご相談ください。