じんましん(蕁麻疹)

じんましん(蕁麻疹)

じんましん(蕁麻疹)

じんましん(蕁麻疹)は、非常にかゆみの強い赤く盛り上がったような発疹が、突然パーッと皮膚に広がる症状です。掻くと発疹同士がつながってミミズ腫れのようになったりします。広範囲に出ていた発疹が、数時間後には跡形もなくきれいに消えてしまうのが特徴です。

何らかのアレルゲンや刺激によってヒスタミンが分泌されることから始まります。ヒスタミンはかゆみの神経を刺激する物質なので、非常に強いかゆみを伴います。そして、ヒスタミンの分泌によって、皮膚の血管が広がって血管に空いた穴から血漿とよばれる液体成分が漏れ、その部分が赤く盛り上がります。これが、皮膚の表面に赤く膨らんだように現れる発疹です。

じんましんが出たら、まずは抗ヒスタミン剤を服用して、発疹やかゆみの原因物質であるヒスタミンの放出を抑制し、症状を和らげます。しかし、また同じような状況になれば、またじんましんは出ますので、根本的な原因を特定して避けることが必要です。

とは言っても、じんましんの原因は100種類以上もあると言われています。一般的には、食物や薬アレルギー、虫やダニ、花粉などのアレルゲンへの接触、摩擦や温度の変化、日光、金属などによる皮膚への刺激、過度のストレスが原因だと言われています。また、原因はひとつとは限らず、さまざまな要素が複合的に絡み合っていることもあり、その日の体調によっても症状が出たり、出なかったりするので、原因を特定するには時間がかかります。アレルギー性じんましんの場合は、アレルゲンと思われる物質のエキスを皮膚に直接塗布して反応をみる皮膚テストや、血液検査などである程度アレルゲンを特定することができますのでご相談下さい。血液検査で他の疾患が原因になっていることがわかる場合もあります。

じんましんが出たら? 

じんましんが出たら、かゆみにまかせて掻きむしらないことです。また、体が温まると血流が増加して、かゆみが強くなりますので、熱いお風呂は控えましょう。汗や汚れが残っていても痒みの元になりますので、短めに汚れを落とす程度でシャワーを浴びるほうがよいでしょう。冷たいタオルやアイスノンを軽く当てて冷やすと、かゆみが和らぎます(寒冷じんましんの場合は、冷たいモノに接触すると誘発されるので逆効果です。)衣類はチクチクしない、綿系のものを選び、シーツや掛け布団も皮膚に刺激の少ない素材のものを選びましょう。食事はアレルギーの原因と思われるものは避け、睡眠は十分に取ること。そしてストレスはため込まないようにすることです。

通常は数時間もすれば、発疹は自然と治まりますが、症状がひどい場合や何度も再発するようなら、抗ヒスタミン剤を処方しますのでクリニックにご相談下さい。喘息などのアレルギー性疾患の既往症がある方は、急に症状が悪化することがあるので、全身にじんましんが出たり、呼吸困難などの症状がみられる場合は、なるべく早めに救急外来を受診して下さい。