とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひは、皮膚に主に黄色ブドウ球菌が感染して毒素を生じることで、表皮が破壊される病気です。

あせもや湿疹、虫刺され、擦り傷などに菌が感染し、かゆみを伴う水ぶくれやかさぶたを作ります。掻き壊すことで手や爪で菌を広げて「飛び火」のごとく拡がります。乳幼児やアトピー性皮膚炎、肌の弱い子などは、皮膚のバリア機能が弱いため、とびひになりやすく注意が必要です。

湿疹ととびひが合併したり(膿痂疹性湿疹)、抗生物質が効きにくい場合、長引くこともあります。自己判断で治療を中断すると再発することもあります。完治するまで通院しましょう。

まれにレンサ球菌が原因のとびひがあります。これは発熱、リンパ節腫脹、咽頭痛など全身症状を伴います。腎炎を合併することもあるため十分な加療が必要です。乳幼児ではまれに菌毒素が全身に移行して全身の皮膚が熱傷の様に剥ける、ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)となることがあります。治療が遅れると危険な場合があり、入院加療が必要です。発熱、機嫌がわるい、とびひが急速に拡大している場合は至急、小児科、皮膚科に受診してください。

とびひの治療と家庭でのケア

とびひかなと思ったら、まず清潔にして、消毒し触らないようにガーゼでふさぎます。大きくなったり、数が増えてきたら早めに皮膚科を受診し、細菌を抑える抗生剤を内服し、抗生剤や炎症を抑える外用薬を使います。3-4日後、再度受診して治療効果を判断してもらいましょう。治癒していない場合は薬を変更することもありますので必ず再診してください。

入浴は湯船にはつからず、シャワーにします。石鹸で患部をやさしく洗い、よく流してください。家族でタオルは共用しないように。シャワー後すぐに外用剤を塗布したガーゼで保護します。

とびひは完治するまでプールに入れません。日焼けすると悪化することもありますので外遊びも控えたほうがいいでしょう。顔に出来ているとびひはガーゼで覆うことが難しいので、触らないよう気をつけること。

完治の目安は、とびひが乾燥して、かさぶたが自然に脱落するまでです。かさぶたが取れても赤みやかゆみが残るときは、湿疹の治療に切り替えます。完治した後も湿疹や乾燥肌がある場合は、再発を予防するため保湿保護のスキンケアをしてください。

予防には、毎日石鹸で手、爪をよく洗うこと。小さなキズもしっかり消毒すること。あせも、湿疹、虫刺されは早めに治して掻き続けないこと。鼻の穴にとびひの原因の細菌が常在するので、鼻の穴に指を入れる癖はやめましょう。