熱中症
年々、夏の暑さが厳しくなってきています。毎年、この時期になると熱中症の患者さんが増えてきます。ちょっとの間だから・・・といって、車内に子供を置いていったために、熱中症で死亡するという悲しいニュースが後を絶ちません。特に車の中は、短時間で一気に50度を超える暑さにまで上昇します。また、曇の日でも、油断できません。湿度が高いと発汗しにくいために、体温が上昇して熱中症になります。
熱中症のメカニズム
熱中症は、高温多湿の場所に長時間いることで、体の中に熱がこもり、汗をかかなくなることで、体温が急激に上昇し、めまいや吐き気、手足のけいれんなどの意識障害を起こす症状のことです。
普段は、汗をかくことで、体の熱を外に逃がして(放熱)体温調節しますが、体の水分が足りなくなっていたり、湿度が高くて発汗しにくい環境にあると、汗をかかなくなり、体内に熱がこもってしまうのです。
また、テニスやサッカー、野球など、激しい運動をしている時は、筋肉から大量の熱が発生するため、この熱が体内にこもって熱中症になる場合もあります。特に、子供は耐熱性が弱く、重症化する危険性が高いです。
熱中症を予防するには?
こまめな水分補給と塩分摂取
人間の体は、水を飲んでから水分が体に吸収されるまでに1時間かかると言われています。のどがかわいた・・と思う頃には、すでに水分が足りない状況です。のどが渇いたと思う前に、こまめに水分を補給するようにしてください。また、汗と一緒に塩分も失われるので、適度なタイミングで食事をとることも忘れずに。スポーツドリンクは、手軽に汗で失った塩分も補給できるのでお勧めです。
屋外で過ごすときは、涼しい場所で休憩するように心がけましょう。また、屋内にいる時も、特に湿度が高い時期は、こまめな水分補給を忘れないようにしましょう。
熱中症になってしまったら?
まず第一に、体を冷やして、体温を下げることです。涼しい場所へ寝かせ、衣服をゆるめてラクにさせて、首筋、脇の下、足の付け根などの太い血管が走っている部位に、氷やアイスノンを当てて冷やします。体を濡らして、風に当てることでも体温を下げる効果があります。
次に、水分を補給します。もし意識があるなら、スポーツドリンクなどを飲ませましょう。 意識がない場合、よびかけても反応がない場合、また体温が高く汗をかいていない場合などは、緊急事態です。すぐに救急車を呼んで病院へ搬送して下さい。
最悪の場合は、内蔵の働きが低下して死に至ることもあります。
便利サイト
環境庁では、毎日の熱中症注意指数を地域別に公開しています。お出かけの際にチェッしてみてはいかがでしょうか? http://www.wbgt.env.go.jp/