多汗症

多汗症

多汗症

人間だれでも運動したり、暑い場所へ行けば、体温調節のために汗をかきます。しかし、特になにも運動もしていないし、暑くもないのに、極度の汗をかく人がいます。これは多汗症といって、精神的なストレスや体質、肥満、食生活、ホルモンバランスの崩れなど、様々な要因があって、異常に汗をかいてしまう病気です。

主な症状と治療法

多汗症の中で、緊張すると手のひらや足の裏、脇の下に多くの汗をかく人がいます。ペンを握っていたら、汗ですべったり、紙が汗でぬれて破れてしまったり、手の平から汗がしたたり落ちる人もいます。また、脇の下から汗がどんどん出て、ワキパットもぐっしょり、洋服まで染み出て、したたりおちるという方もいます。

手の平や足の裏に限定した多汗症は、掌蹠多汗症と呼ばれます。

手軽な治療方法として、20%塩化アルミニウム液の外用があります。これは一部の薬局でネット販売にて購入できます。汗を抑えたい場所に、寝る前に塗布し、翌朝洗い流します。これを1週間程度繰り返せば、汗が止まるようになります。ただし、この薬は塗り続けないと、また汗をかくようになるので、永続的な治療とは言えません。

また、多汗症の原因が精神的なストレスや自律神経のバランスが崩れていることによる場合があります。その場合には、グランダキシンという内服薬を処方しています。これは、自律神経を調整し、発汗そのものに作用して、極度の緊張感や不安感を取り除くものです。

人によって多汗症の原因はさまざまです。全身発汗が多い場合、睡眠中も手足の発汗が多い場合は甲状腺機能亢進(バセドー病)や他の内臓疾患の可能性もあります。気になる方は、早めにクリニックにご相談下さい。

また、内分泌代謝異常、神経疾患などの原因がないにも関わらず、両脇から多量の汗が出てしまう原発性腋窩(えきか)多汗症の場合は、夏場に限らず、緊張したり、ストレスを感じたり、体温が上がった時などにも過剰に汗が出ます。2011年の調査では、日本人の5.7%が原発性腋窩多汗症に悩まされていることがわかっています。原発性腋窩(えきか)多汗症の治療法として、1日1回で使い捨てタイプの外用薬が新たに発売されました。詳しくはこちらをご覧ください。