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食中毒(O−157、病原性大腸菌など)

夏場になると、様々な菌が原因で食中毒が発生します。最近では、生肉(ユッケ)による集団食中毒事件が話題になりました。O−157やサルモネラ菌などの細菌が付着した食品を食べると、激しい腹痛、嘔吐、下痢、発熱を伴う腸炎を発症します。特に、細菌は、高温多湿の夏場に繁殖しやすく、主に生肉や魚介類、生野菜などを介して人に感染します。食べたらすぐに具合が悪くなる訳ではなく、初期症状が現れるまでに3日〜5日くらいかかるので、何を食べたのが原因なのかはっきりしないことがあります。そのほかにも、感染者の便からの二次感染や、菌に汚染されたウサギやモルモットなどの動物への接触から感染することもあります。

主な症状


通常、大腸菌は人や動物の腸内に存在し、ほとんどの場合は無害なのですが、O157やO26、O111などの腸管出血性大腸菌は、ベロ毒素と言う非常に強い毒素を産出し、これが大腸の腸管上皮を破壊します。少量の菌でも感染する非常に強い感染力を持っています。激しい下痢や水様の下痢、血便を引き起こし、約1割程度の人が、発症から5日〜7日以内に溶血性尿毒症(HUS)という急性腎不全や脳症などの重篤な合併症を伴い、最悪の場合は死に至ります。特に、乳幼児や高齢者のような抵抗力の弱い人は重症化しやすいので、生ものは控えたほうがよいでしょう。

主な治療方法

O157などの細菌性の場合には、早期に有効な抗菌剤を投与することで、重症化することを防ぐことができます。第一に、安静、水分補給、消化の良い食事を取ることが大切ですが、下痢や腹痛が激しくて口から食べられないような場合には、入院して点滴で水分や栄養を補い、重症化しないように経過を見ます。自己判断で市販の下痢止めを使うと、ベロ毒素が排出されにくくなり、かえって症状が悪化する場合がありますので、絶対にやめましょう。

感染予防

生肉(主に牛肉)、生乳(ヨーグルト、チーズなど)、生卵、生野菜(貝割れ大根、レタス、キャベツ、きゅうり、ホウレンソウなどの生で食べることの多い野菜)、生水(井戸水など)、魚介類などからの感染が報告されています。

生ものは、細菌が繁殖しやすいので、しっかり火を通して、十分に加熱してから食べるようにしましょう。また、肉や魚を触った手や、調理した後のまな板で、生野菜などの他の食材を調理すると、接触することによって細菌が付着する恐れがありますので、きちんと洗って消毒してから野菜を切るか、まな板を別にして調理するなどの工夫が必要です。

O157などの細菌は、75度以上の熱で死滅しますので、調理器具やふきんは使う前に煮沸したり、まな板に熱湯をかけて消毒し、残った味噌汁やカレーなどを温め直す際には、全体が十分に沸騰するまで加熱し、肉や魚は75度以上で1分以上加熱するようにしましょう。また、買ってきた食材は、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に入れて、10度以下で保管するようにしましょう。解凍する際に、室温で放置しておくと菌が繁殖しやすいので、冷蔵庫に入れてゆっくり自然解凍するか、電子レンジで一気に解凍するようにしたほうがよいでしょう。

また、真空パックの加工食品や人の皮膚・髪の毛などに潜む細菌が感染源になることもありますので要注意です。またおにぎりやサンドイッチなども、できるだけ素手で作らずにラップでくるんで握るなどの工夫をしましょう。