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甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患で、特に20〜40歳代の女性に多い病気です。

甲状腺というのは、喉仏の下辺りにある臓器で、体の新陳代謝を司るホルモンを分泌しています。この甲状腺ホルモンが必要以上に過剰に分泌されると、動悸が激しくなり、息切れ、体重の減少、手の震え、体のほてり、汗をかきやすく、疲れやすいといった症状を起こします。

また女性の場合は、今まで割と便秘気味だったのにお通じが良くなったり、食欲旺盛になってよく食べる割りにはあまり太らなかったり、月経不順になったりという人もいます。見た目でわかる特徴としては、甲状腺の肥大で、喉の辺りがまるでハトの胸のように膨らんでいるように見えたり、また人によっては眼球が突出する場合もあります。

また、新陳代謝が異常に高くなって心拍数が上がり、1分間に100回以上になることもあり、眠っている間も心臓がバクバクと脈打っている音が聞こえるようになります。このような状態が長く続くと、心臓に負担がかかり、心肥大や心不全を起こす危険性がありますので、早期の治療が必要です。

原因

正常な人の甲状腺は、脳下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって、適量な甲状腺ホルモンを分泌するようにコントロールされています。しかし、妊娠、出産、ストレス、環境の変化など、さまざまな要因によってこのバランスが崩れてしまうと、甲状腺ホルモンは分泌過剰となり、甲状腺刺激ホルモンはほとんど分泌されなくなります。

またこの病気は、親族に既往症のある場合に発症する例もあり、遺伝性があるとも言われています。

検査法

甲状腺機能亢進症は、血液検査で診断できます。血中の甲状腺ホルモンが過多で、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の量やコレステロールが低下している場合、甲状腺機能亢進症が疑われます。また、エコーを使って甲状腺の組織内部を詳しく調べることもあります。

薬による治療

甲状腺の治療は、病状によって3つの方法があります。まずは、甲状腺の働きを抑える薬を内服する方法です。1年〜2年以上の長い期間にわたって抗甲状腺薬を内服し、甲状腺ホルモンやTSHの量を定期的にチェックしながら、徐々に薬の量を減らしてゆき、自律的にコントロールできるようになるまで続けます。

薬の用法や用量を守らずに不規則に服用したり、決められた定期検診に行けずに薬の減量のタイミングが遅れたりすると、逆に「甲状腺機能低下症」になって甲状腺ホルモンが出なくなり、体がむくんだり、体重増加、全身の倦怠感などに見舞われるリスクがありますので、投薬中はかならず定期的に医師の診断を受けるようにしましょう。

薬で治療する場合、肥大化した甲状腺自体は元のサイズには戻らないので、何年か経ってから、また同じような原因ストレスや環境の変化に遭遇すると、病気を再発する可能性があります。完治した後も、1年に1回は定期検診を受けるようにしましょう。

アイソトープ治療

放射性ヨードを使った治療法です。抗甲状腺薬の内服だけではコントロールできない場合、あるいは薬に対するアレルギー反応が出てしまった場合などにこの方法を使います。

ヨードというのは、昆布やわかめなどの海藻などに含まれている栄養素で、甲状腺はヨードを取り込んで甲状腺ホルモンを生成するという特徴があります。この働きを利用して、特殊な放射線を出すヨードをカプセル化したもの(アイソトープ)を内服し、放射性ヨードが甲状腺に取り込まれることによって、肥大化した甲状腺組織を破壊して元の状態に戻してゆきます。すぐに効果が現れるというわけではなく、投与してから3カ月〜1年くらいの間にゆっくりと効いてきます。放射性ヨードの大部分は、1カ月もすれば大部分が体外に排出されてしまいます。アイソトープ治療の効果を高めるために、治療開始の2週間前からヨードを含む食品を食べてはいけないという食事制限があります。

放射性物質と聞くと、ほとんどの方が安全性について心配されますが、放射性ヨードは甲状腺にだけ取り込まれるため、その他の臓器には全く影響なく、また過去50年間にわたって甲状腺治療に使われ、その安全性が確認されている方法です。アメリカでは、甲状腺機能亢進症患者の8割がアイソトープ治療を受けています。ただし、妊娠している方や近い将来に妊娠する可能性のある方は、アイソトープ治療は受けられません。

外科手術による切除

甲状腺機能亢進症に加えて甲状腺腫瘍がある場合、抗甲状腺薬やヨードに対してアレルギーがある場合は、手術で肥大化した甲状腺の一部または全部を切除します。

甲状腺機能亢進症について、詳しくはクリニックにご相談下さい。